2013年8月26日月曜日

国際通貨体制交渉 -ホワイト案についてのケインズの評価

国際通貨体制交渉 -ホワイト案についてのケインズの評価

ホワイトの安定化基金案は、1942年の夏から8度も改定されて1943年の3月にいたっている。
その後も改定されているが、その1つが1943年7月10日のもので、これにたいしケインズはイーディあてに記している。

・ほとんどの点で悪化しており、重要な変更がなされないようであれば、完全な決裂に直面する覚悟が必要である。

・とくに次の3点はまったく受け入れられるものではない。

(1)ポンドは金に厳格に縛られてしまっており、議会の主権がおかされてしまっている。

(2)基金は、複数の通貨のバスケットを保有するようになっており、多数間での清算を行おうとしていない。ユニタス(バンコールに対抗するアメリカ側の通貨単位)のみを扱うようにすべきである。

(3)金での拠出を増額する案は受け入れられない。


(ICUのパッシブ性、経済の拡張をめざすシステム、それをバンコール勘定での多数間決済システムとして樹立するというそのシンプルさと利便性、国際性を強調しながら、他方でケインズはイギリス帝国の地位保全、アメリカの一国主義的方策への批判を強めている。そのうえで、できるだけアメリカに妥協し、かつアメリカ側から妥協を引き出そうと苦心している。)